こんにちは。「とやまリサーチャー」です。
富山には四季折々の祭りがありますが、その中でも“格式の高さ”で知られるのが、南砺市城端の 「城端曳山祭(じょうはなひきやままつり)」。

2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録され、国内外から注目を集めるようになりました。
「これが地方都市の祭りなのか…」と、思わず息をのむほどの上品さがあります。しかも、同じ富山県内とはいえ、城端のまちを歩くと“おっとりしているのに誇り高い”独特の空気が漂っている印象です。
ここでは、その魅力と歴史を、実際に歩いた感覚も交えつつご紹介します。
【伝統文化】南砺市城端―装飾と豪華な彫刻の山車
城端曳山祭は、江戸時代中期から続く伝統行事で、城端の町衆が守り続けてきた祭礼です。
最大の見どころは、職人たちの技が細部まで宿った 曳山(ひきやま)。なかでも目を引くのが「前人形」。能の世界観に基づいた人形が山車の最前部に配され、堂々たる姿で町を練り歩きます。
山車は計6基。それぞれの町が代々受け継ぎ、細部の彫刻や塗りの修繕も地域住民の誇りとして丁寧に行われてきました。
曲線の美しい欄間彫刻、漆の深い艶、金箔のアクセント──どれをとっても“職人の作品”として成立するレベルです。

【庵屋台】三味線や笛の音色―紋付き袴の奏者
城端曳山祭を語るうえで欠かせない存在が 「庵屋台(いおりやたい)」。
山車の後ろをゆっくりついていく小さなお社のような屋台で、中では紋付き袴姿の奏者たちが、笛・三味線・太鼓を使って優雅な“庵唄(いおりうた)”を奏でます。
この音色がまた、なんとも品があるんです。
激しい囃子ではなく、どこか静かで、しっとりとした旋律。町家が並ぶ城端の街並みと調和して、まるで時代劇のワンシーンに迷い込んだような感覚になります。


奏者に選ばれるのは名誉なことで、若いころから稽古を積み、次世代へ技と心を受け継ぐ姿勢は、伝統文化の継承として本当に尊い取り組みだと感じました。
【動く美術館】彫刻と極彩色の装飾優雅な曳山
「動く美術館」と称されるほど、城端の曳山は一基一基が芸術作品です。
極彩色で塗り分けられた外観、高岡銅器の名工が手掛けた金具、情緒ある彫刻──。そのどれもが、専門家が見てもため息が出るレベルの仕上がりです。
特に驚くのは、曳山の随所に使われている 高岡漆器 や 井波彫刻 の技術。
富山の伝統工芸が、祭りの中で融合し“祭礼文化の総合芸術”となっているのです。

夜になると提灯に灯りがともり、昼間とは全く違う表情に。
ライトアップされた曳山がゆっくり進む姿を見ていると、「あぁ、富山の祭りって本当に美しいな」と、心から思いました。
曳山の巡業の他に、獅子舞も披露されます。
町内の家々を回って「祈り」や「清め」といった精神性を体現する重要な存在です。
華やかな曳山の中で響く笛の音と獅子と子どもたちの舞。そのコントラストがなんとも心に響き、胸がじんわりと温かくなります。


「城端曳山祭り」―アクセス&詳細情報
最後に、旅行者向けのアクセス情報をまとめておきます。
初めて訪れる方でも迷わないよう、実際に歩いた視点で書いています。
- 開催日:毎年5月4日・5日(雨天決行)
- 開催場所:富山県南砺市城端(じょうはな)中心市街地
- アクセス:電車:JR城端線「城端駅」から徒歩約10分
※祭り当日は駅から会場まで誘導員がいるので安心です
車:東海北陸自動車道「福光IC」から約10分
※臨時駐車場あり(混雑するため早めの到着がおすすめ) - 観覧のポイント:前人形がせり出す“見せ場”は写真映え抜群
夜の巡行は幻想的でゆっくり楽しめる
庵屋台の演奏は静かに耳を澄ませて聴くのがおすすめ - トイレ・休憩所:城端別院善徳寺の周辺に休憩スペースあり
(ここでお茶を飲んでひと息つく地元の方も多いですね。)
まとめ|【富山の祭り】南砺市のユネスコ無形文化遺産―歴史と格式「城端曳山祭り」
城端曳山祭は、富山の中でも特に“気品ある祭り”として知られており、ユネスコ無形文化遺産に登録された今も、町衆の手で大切に守られています。
豪華な曳山、美しい庵唄、夜の灯り。
その一つ一つが、まるで映画のセットのように完成度が高く、訪れる人を魅了してくれます。
毎年5月、中旬には田植えを控えたこの時期に、城端の町はしっとりと華やぎます。
城端には、春の「曳山祭り」の他に、秋には「むぎや祭り」が催されます。

もし旅行予定を立てるなら、この祭りは間違いなく“見て損なし”のおすすめ行事。富山の伝統文化を肌で感じたい方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

